INTRODUCTION/STORY

INTRODUCTION

伝説から、新約へ―――――


2014年に初演以降、シリーズファンの間では伝説的な作品として根強い人気を誇る

『LILIUM -リリウム 少女純潔歌劇-』が改稿によって深度を増した脚本と新たな楽曲を携え、

『LILIUM -リリウム 新約少女純潔歌劇-』として上演いたします。


シリーズ初となるフルキャストオーディションを実施。2000通を超える応募の中から、「演技力」「歌唱力」「役とのケミストリー」という徹底した実力至上主義にて選抜されたキャストが、

残酷ともいえる少女たちの物語を舞台上に描き出します。


TRUMPシリーズ15周年の幕開けを飾る新約版『LILIUM』にどうぞご期待ください。



2014年、『LILIUM』初演の初日。まさに作品が初めて観客の目に触れたあの日。
終幕と共に客席は静まり返り、カーテンコールで一切の拍手が起こらなかった。
舞台裏では、キャストたちが「そんなに面白くなかったのか......」と大きな不安に包まれていた。
でもそれは〝拍手もできないほどに衝撃を受けていた〟のだと、翌日からの観客の熱狂が教えてくれた。今もなお忘れることのない出来事として、胸に刻まれている。
そんなエピソードも相まって、シリーズファンの間では伝説的として語られる作品。
初演をなぞる様なただの再演では、意味がないと思った。(それは如何なる演劇作品と同様に)あの瞬間でしか成し得なかったものを越えることなど到底できないのだから。
『LILIUM』を語り直す意義を考えると、やはり初演に立ち返ることとなる。
あの初演があったからこそ、何度も語り直すに値する強度を持った作品として、『LILIUM』は演目そのものに強烈な物語性を帯びたのだと感じた。だからこそ、〝再演〟ではなく〝新約〟する。
永劫に閉じ込められた少女たちの物語を語り続けていくための、作り手と受け手の〝新たな約束〟として。


作・演出 末満健一


STORY

永遠に咲きつづける花はなく、美しく咲くもいずれは枯れる


  雨が降り続ける森の奥深くにあるサナトリウム。

  そこは《クラン》と呼ばれ、

  繭期(人間でいうところの思春期)の吸血種の少年少女たちが療養しながら暮らしていた。

  そのクランから、シルベチカという一人の少女が失踪する。

  友人であるリリーはシルベチカをさがし求めるが、サナトリウムの仲間たちは誰も彼女を覚えて

  いなかった。

  シルべチカとは、リリーの妄想が生み出した幻なのか。

  疑念にかられるリリーであったが、スノウという少女がシルべチカを覚えていることを知る。

  また、ファルスと名乗る少年がリリーに接近してくるのだった。

  少女たちの秘密が明かされる時、残酷な運命の扉が開く───